500年程度生きるコツ
背を、丸めて丸めて、ぎゅっと目を瞑る。
目には見えない心には、人の赤子程度の大きさの穴が空いている。自分の身を抱き締めて、どうしようもないほどぽかりと空いた穴の、大きさを確かめてみる。ちょうど、愛用のブタさん型ぬいぐるみをすぽりと納められるくらいのそこには、魂のグラム以外何があったのだろうか。
大好きなあのコがもういないことに。
もうこの世に期待できないことに。
生きていることが嫌になることに。
どうしたって埋まらないので、体の水分と塩分を少し使って、目から流れるそれを、「無意味だな」と独り言ちる。
そして朝になって目を覚ますと、何を食べようか考えるのだ。
ゑ